リオに行ったら訪れて!負の世界遺産「ヴァロンゴ埠頭の考古遺跡」 Valongo Wharf Archaeological Site in Rio de Janeiro

世界遺産の中で、「負の遺産」というのがあるのをご存じですか?2020年にブラジル、リオデジャネイロに行ったときに負の遺産、「ヴァロンゴ埠頭の考古遺跡」に行った時の動画です。ぜひご覧ください!

0:23 リオのカーニバル
0:32 コパカバーナのビーチ
0:37 コルコバードの丘
0:42 世界遺産「山と海との間のカリオカの景観群」
1:13 リオのもう1つの世界遺産「ヴァロンゴ埠頭の考古遺跡」
1:37 負の世界遺産とは・・・
2:09 世界遺産「ヴァロンゴ埠頭の考古遺跡」の意味
3:43 情報が少ない世界遺産を訪れた時のおすすめ
4:14 ヴァロンゴ埠頭近くの海

ブラジル、リオデジャネイロと言えば、サンバ・カーニバル、コパカバーナのビーチ、コルコバードの丘にあるキリスト像などが有名ですよね。コルコバードの丘から眺める世界遺産「山と海との間のカリオカの景観群」は絶景!世界中の観光客がリオに来たら必ず訪れる観光地となっております。

実はリオにはもう1つ世界遺産があるのをご存じですか?2017年に登録されたばかりの世界遺産「ヴァロンゴ埠頭の考古遺跡」です。ネットで調べてもほとんど情報はなく、実際に行ってみても説明などあまりなく分かりにくいのですが、ここは人類にとって忘れてはならない場所、覚えておくべき「負の世界遺産」なのです。

負の世界遺産とは
「世界遺産のうち、人類が犯した悲惨な出来事を伝え、そうした悲劇を二度と起こさないための戒めとなる場所や建物」のことですが、ユネスコが公式に分類しているわけではありません。

負の世界遺産の代表的なものは、広島の「原爆ドーム」や、ポーランドの「アウシュヴィッツ強制収容所」などがあります。原爆ドームは原子力爆弾の恐ろしさ、アウシュビッツはユダヤ人虐殺の悲惨さを伝えています。

「ヴァロンゴ埠頭の考古遺跡」

「ヴァロンゴ埠頭の考古遺跡」はどのような負の遺産なのでしょうか。
場所はこちら、リオデジャネイロの中心、ジョルナル・ド・コメルシオ広場にあり、近くには巨大なウォールアート、水族館、リオ美術館、明日の博物館などがあります。

ヴァロンゴ埠頭は1811年に建てられた埠頭で、アフリカから黒人奴隷たちが連れてこられた奴隷貿易の場所なのです。数十年でおよそ90万人もの奴隷がアフリカ大陸から連れてこられました。今でもブラジルに黒人が多いのはこの奴隷貿易があったためです。

ヴァロンゴ埠頭は、2010年ごろまでは地中に埋まった状態だったのですが、世界遺産登録に向けて発掘が行われ、最下層のペ・デ・モレク様式(pe de moleque style)の舗装がヴァロンゴ埠頭の本来の姿と考えられています。2020年2月時点でも、まだこのように発掘中ですね。
近くのヴァロンゴ墓地には約3万人の奴隷が眠っているとのことです。

私は今まで300以上の世界遺産を見てきました。世界遺産は、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つ物件のことなので、有名で分かりやすい世界遺産ばかりではなく、ここヴァロンゴ埠頭のように分かりにくく、情報がほとんどない世界遺産も数多くあります。

私はヴァロンゴ埠頭のような無名で情報がほとんどない世界遺産に訪れた時は、「当時に思いをはせ、しみじみと感じる」ことにしております。

この遺跡を見ながら、200年前、合計90万人ものアフリカ人たちが船で運ばれてきたのだなあ。粗末な船で長時間の航海、途中ではたくさんの方が亡くなったのだろう。到着しても奴隷として働かされてつらい思いをしたのだろう。などと祈りながら考えました。

また、ヴァロンゴ埠頭の考古遺跡から100mほどで海にでます。

海を見ながら、このずっと先3000㎞の向こうにはアフリカ大陸があって、そこから連れてこられたのだなあと思うと悲しくなりました。
当時、アフリカから90万人もの人が強制的に連れてこられて奴隷として働かされた負の歴史を我々は覚えておく必要があると思います。

以上、ご視聴、ブログを読んでいただきありがとうございました。

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