ミラノ駐在日記(4)アパートを決める

2005年8月に宇都宮からミラノに赴任しました。
ミラノでのアパート探しは大変。仕事もついた次の日から激務で、その間にアパートを探しました。と言っても会社の人事に希望を言って、数件見繕ってもらい、仕事の合間にアパートを見に行きました。

1.ミラノの東の端、Lambrate(ランブラーテ)
そして最終的に決めたのは、ミラノの北東、ミラノの端っこのLambrate(ランブラーテ)という日本人がほとんど居ない町でした。下の地図の赤い印のところです。
オフィスがCologno Monzese(コローニョ・モンツェーゼ)というさらに北にあったので、交通の便を考えてLambrateに住みました。本当は日本人が多く住むミラノ西側、De Angeli(デ・アンジェリ)あたりがよかったのですが、そこからオフィスへはミラノの街を縦断するので、片道車で1時間以上はかかります。Lambrateなら、車で10分くらいでオフィスに行けるのです。また、Lambrateは地下鉄の駅も近く、トラムやバスも走っていましたし、国鉄Lambrate駅もあったので便利でした。
(ただし、このLambrateに住むという選択は後に大きな事件に巻き込まれるのですが。。。またそれは別の話として書きますね。。。)

Lambrateを拡大すると下のMAPになります。Piazza Piero Gobettiという公園の対面にある10階建てくらいのアパート(日本でいうマンション)の1室、月の家賃は1800ユーロくらい、会社払いでした。80歳くらいのおばあちゃんがオーナーで、入居時に部屋を見せてくれて、「私はここで生まれたのよ」と言っていたので築80年以上の古いアパート。でもイタリアでは室内はきれいにリノベーションするので非常にきれいです。床は大理石が敷き詰められていました。
室内がとてもきれいで8階と眺めが良くてここに決めました。

2.築80年以上のアパート
実際に決めたアパートはこちら。Gobetti公園の真ん前の茶色いアパートです。イタリアの典型的なアパート、日本で言うとマンションですが見た目はだいぶ違いますよね。

入口には門番さんが居て、日中は住人かどうか見張っててくれます。門番さんと言っても、おばさんがバイトでやってる感じです。でもイタリアらしく、毎日笑顔で挨拶して、いろいろな話をしたりします。そうすることによってより良くしてくれるのです。夏に旅行に行った時には門番さんにお土産を買って帰り、夏の旅行話をしながらお土産を渡すというのが、イタリアのしきたりになっています。

中に入るとこんな感じ。中庭になっています。うちはここから見上げて7階のところ、ちょうど、突き出しのベランダありました。このベランダが広くて最高でした。

3.オンボロのエレベータ
これがイタリアのアパートの典型的なエレベータです。扉を手で開いてエレベータのドアを開けます。古くてびっくりです。


エレベータの中はこんな感じ。手で扉を完全に閉めると通電して、階を押すとエレベータは上がります。ちゃんと扉を閉めないと階を押しても動かない仕組みになっています。ちなみに階は1個分しか押せません。日本だと、2階、5階、7階と押せば、順番にその階に行きますが、このようなタイプのエレベータは最初に押した階にしか行けません。。。。

4.ミラノの車は路駐が基本
当時のアパートの前の通り、Via Porporaです。どうですか、あまりきれいとは言えませんよね。でもこれがイタリアの都市の住宅街の典型的な通りです。古いアパートが立ち並びます。中心の旧市街などにある歴史的な美しい建物ではないんです。。。ちなみに頭上にあるのはトラム(路面電車)の電線です。

またミラノでは基本的に車は路駐です。地域住民は役所でResidence用の駐車の権利を1年間100Euro程度で購入すれば、その地域で路駐することができます。ただ、写真を見ても分かる通り、縦列駐車で間隔を開けずに注射するので、駐車するのも一苦労、最初のころは大変でした。でもお陰で縦列駐車は得意になりました。イタリア人は前後の車にバンパーをガンガンと当てながら縦列駐車をするのです。。。初めて見たときは驚きました。なのでイタリアの車はバンパーが傷だらけ。。。。イタリア人に聞くと、そのためのバンパーだろ!バンパーはガンガン当てるためのものだ!という人も普通にいます。。。

ミラノでは車の二重駐車も当たり前!

ミラノの建物には写真のように壁もシャッターも落書きだらけ。。。本当に汚いです。でもアパートをよく見ると、ベランダの下部は彫刻が彫られ、上層階は美しい装飾がされています。こういうアパートは100年以上前のもので、大理石含めてかなり頑丈に造られていて、価値が高いです。イタリアの建物は家賃や、売るとき、古い建物ほど高いのです。

私の当時のアパートの前にあったGobetti公園、昼間は穏やかでいい感じの公園。ただし夕方になると、労働者が集まり酒を飲んだり雰囲気は悪くなります。

Gobetti公園前のうちのアパート、左側のこげ茶のアパートです。


毎日路駐は場所を見つけるのも大変だから、ガレージを借りなさい、ということでアパート地下にあるガレージを月300Euroで借りました。ガレージには車以外にいろいろと物も置けます。いろいろな人を通して借りたので300Euroでしたが、本来はもっと安いようです。これがイタリア式、、、、コネを使って人を何人も通すので費用がかなり高くなってしまうのです。

最後にこちらがアパートから徒歩5分の国鉄Lambrate駅。実はこの写真は2013年のもの。私が住んでいた2005年当時はもっとぼろかった。。。。2015年のミラノ万博のために改築したのです。

というわけで、2005年8月にミラノに来て、約1か月のホテル暮らしから解放されてようやくアパートに住めることになりました。ただし、ホテルをチェックアウトして、このアパートに行くと、またちょっとした問題が発生しました。そのためまだアパートには住めず、またしばらくホテル暮らしとなったのですが、それは次回に書きます。

だいぶ前のことなので、写真があまり残っていなくて記事にするのが大変なのですが、なるべく写真多めで記事を書いていきます!どうぞよろしく!

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